
[糸]
断片的な記憶
思い返す
過去から今への繋がりをなくして
擦り切れた糸のように
それでも寄り集まって一つの存在を作り出そうと
2002 年の始まりから
ずっと同じような夢を見ている
ずいぶん変わったつもりでいたけど
あなたの書くものの世界観は変わらないねと
詩を学ぶ友人が言っていたから
思っていたほど変わってないんだろう
2009 年の今も
思い出したように古い名前を持ちだして
二年の隙間を埋めるように
忘れていたわけではないけれど
思い出さなかったのも事実で
それでも変わらなかったものがあるのならば
擦り切れた糸を
繋ごうとすることは無駄だろうか
意味を見いだすことは出来なくても
帰ってくることは出来るから
ただいま
そしてお久しぶりです
2009/06/21
[夏の埋葬]
淀んだ空気の底で
眠る魚のように息をする
目は開けたまま
はためかないカーテンを見ている
2009/06/29
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