匣*hako
投げた言葉のゆく先は



[トワイライトシンドローム]



僕はここにいて

空腹をもてあましながら

曖昧に時を過ごして

線路沿いの1Kアパート

西日の入る部屋には住んだことがない



黄昏時を

赤く染まる部屋で過ごすのはどんな気持ちだろう

カーテンの隙間から差し込む朝日は

孤独と冷たい希望がないまぜの

そんな記憶に満ちているから



使い古されたタオルケットに包まれて

人工の風に吹かれる

僕の胸に空洞はなく

風は啼きもしない



立方センチメートル

この部屋を埋める空気の体積と

僕の孤独はイコールだろうか

嘆くほどのことではないよ

それなりに




一人でも狭い布団の中

赤く染まる夢でも見ようか

朝日がその手を伸ばす前に






2009/07/07




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