
[午睡]
風
部屋の電気を消して、わざとカーテンに映る光を見つめる。
かすかに聞こえる、穏やかな日常の音が眠りを誘う。
鳥が鳴いた。
それは甘い昼下がりの時間。
2003.11.21.
[D]
デイジー、そこで泣いているの?
鼻をすすって泣いているの?
ダナ、愛していたの?
それでも?
デューク、聞こえているのね
あなたが負った罪の囁き
ディクシー、苦しいの?
自らをかき抱いて、何を求めていたの
あなたは言いました
あなたたちは言いました
さようなら
、
もう二度と戻りません
戻れません
でも何処へ?
「Did you know where you will go?」
「Don't leave. Don't leave me」
2003.12.30.
[ワルツ]
その晩餐が意味のないモノだとしても
白黒のチェスボードの上で
取り合う手はもげてしまった
もつれた脚は捻れてしまった
鼓膜は破れ 視神経は焼き切れ
脈打つ鼓動が同じ早さを刻むまで
それでも唯 、 今は
そう その晩餐が意味のないモノだとしても
2003.12.15.
[ハスキーボイス]
言葉は今日もこの身から溢れ
"遺伝子さ"
と、君は笑うけれど
"歌姫と詩人の"
高らかに君は歌うけれど
言葉は今日もこの身から滴り
かすれた声を喉に詰まらせる
さようなら、わたしのカナリア
あなたは今日も遠い空で
美しく歌っているのでしょう
醜い声など届かないどこかで
2004.01.08
[日常]
冬の欠片が舞う街に
日常はやさしく降り積もる
けれど
戻りたがりな僕らは
まるで置いてかれるように
静かに振り返った
2004.01.18
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